相続登記・取得費で困らない!不動産売却時の税金対策

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相続登記・取得費で困らない!不動産売却時の税金対策

相続登記・取得費で困らない!不動産売却時の税金対策

相続した不動産、売却を検討されていますか。
相続手続きだけでも大変なのに、売却となると税金のことなど、不安な点が山積みですよね。
特に「取得費」の計算は複雑で、間違えると余計な税金を払ってしまうことも。
今回は、相続した不動産の売却における取得費の計算方法と、税金対策について解説します。
少しでも不安を解消し、スムーズな売却を進めるお手伝いができれば幸いです。

相続した不動産の取得費とは何か?計算方法と注意点

取得費の定義と譲渡所得税への影響

不動産の売却によって生じる利益を「譲渡所得」といい、この譲渡所得には税金(譲渡所得税)がかかります。
譲渡所得の計算式は「譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 特別控除額」です。
この中で「取得費」は、不動産を取得した際に発生した全ての費用の総額を指します。
取得費を正確に計算することは、税金を適切に納付し、節税対策を検討する上で非常に重要です。
取得費を過少に申告してしまうと、本来払うべき以上の税金を負担してしまう可能性があります。

土地と建物の取得費の計算方法の違い

土地の取得費は比較的シンプルで、購入代金に加え、登記費用や不動産取得税などが含まれます。
一方、建物の取得費は、購入代金や建築費用から「減価償却費」を差し引いた金額になります。
減価償却費とは、建物の経年劣化による価値の減少分を、耐用年数に応じて毎年計上していく費用です。
建物の種類(木造、鉄筋コンクリート造など)によって耐用年数が異なり、償却率も異なります。
国税庁のHPなどで確認できますので、正確な計算を行うようにしましょう。

取得費計算における減価償却費の重要性

減価償却費の計算は、建物の取得費を正確に算出する上で非常に重要です。
計算方法を誤ると、譲渡所得が過大評価され、税負担が増加する可能性があります。
減価償却費の計算には、建物の購入時期、構造、耐用年数、経過年数などが関係します。
これらの情報を正確に把握し、適切な償却率を適用して計算を行う必要があります。
計算に自信がない場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続した不動産の所有期間と税率の関係

譲渡所得税の税率は、不動産の所有期間によって「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」に分類され、税率が異なります。
相続の場合、所有期間の起点は被相続人が不動産を取得した日です。
相続開始日からではなく、被相続人の取得日から5年以上経過している場合は長期譲渡所得となり、税率は20.315%です。
5年以内であれば短期譲渡所得となり、税率は39.63%と高くなります。
そのため、相続した不動産の売却時期を検討する際には、この税率の違いを考慮することが重要です。

取得費の計算ミスを防ぐためのポイント

取得費の計算ミスを防ぐためには、以下の点に注意しましょう。

必要な書類を全て集める:売買契約書、建築契約書、登記費用領収書、不動産取得税納税証明書など、取得費に関連する全ての書類を丁寧に集め、確認しましょう。
減価償却費の計算を正確に行う:建物の構造や耐用年数などを正確に把握し、国税庁の情報を参考に減価償却費を計算しましょう。
計算に不安がある場合は、専門家に相談しましょう。
所有期間を正確に把握する:被相続人の不動産取得日を正確に把握し、所有期間を正確に計算しましょう。
不明な点は税務署に相談する:取得費に関する書類が不足している場合や、計算方法に不明な点がある場合は、税務署に相談して適切な対応を尋ねましょう。

相続登記・取得費に関する費用と特例措置

取得費に含まれる費用と確認方法・必要な書類

取得費には、購入代金以外にも様々な費用が含まれます。
具体的には、登記費用(登録免許税、司法書士費用など)、不動産取得税、土地の造成費用、測量費用、建物の解体費用、立ち退き費用、訴訟費用、契約解除違約金などです。
これらの費用の金額を確認するには、それぞれの費用に関する領収書や契約書が必要となります。
被相続人がこれらの書類を保管していない場合は、税務署に相談するなど、適切な対応が必要です。

取得費が不明な場合の対処法

相続した不動産の取得費に関する書類が見つからない場合、取得費を「譲渡価額の5%」とみなすことができます。
これは、国税法で定められたルールです。
しかし、この方法では取得費が実際よりも低く見積もられる可能性があり、税負担が増加する可能性があるため、注意しましょう。
可能な限り、当時の購入価格を推測するなど、より正確な取得費を算出する努力をしましょう。

相続税の取得費加算の特例

相続税を納税した後に、相続した不動産を売却する場合、「相続税の取得費加算の特例」を利用することで、譲渡所得税を軽減できます。
この特例は、相続税の額の一部を取得費に加算できる制度です。
加算できる相続税額は、売却した不動産の相続税評価額と、相続財産の総額の割合によって決まります。
この特例を利用するには、一定の条件を満たす必要がありますので、税理士などの専門家に相談して、適用要件を確認しましょう。

空き家の譲渡所得の3000万円特別控除

相続した不動産が、被相続人が居住していた住宅(空き家)の場合、「空き家の譲渡所得の3000万円特別控除」が適用できる可能性があります。
この特例は、譲渡所得から3000万円を控除できる制度ですが、適用には様々な条件があります。
例えば、相続開始から3年以内の売却、売却価格が1億円以内、耐震基準の満たすことなどです。
この特例についても、専門家に相談して適用可否を確認しましょう。
2023年12月31日までに売却することが条件となっていますので、期限にもご注意ください。

まとめ

相続した不動産の売却は、相続税に加え譲渡所得税の負担も考慮する必要があるため、複雑で不安な手続きです。
今回は、取得費の計算方法や、節税に役立つ特例について解説しました。
取得費の計算は、書類の収集や減価償却費の計算など、専門的な知識が必要となる場合もあります。
不安な点や不明な点があれば、税理士や不動産会社などの専門家に相談することを強くお勧めします。